第218回「ドラゴンボールのアニメ、押井守について」【人生思考囲い】

第218回「ドラゴンボールのアニメ、押井守について」【人生思考囲い】

■ドラゴンボールのアニメ(以下DB表記)
お便り「DBのアニメをどう思うかお話してほしいです。私は物心ついた頃からDBのアニメを夢中でみていました。しかしZになった辺りで原作の存在を知り、読み始めてからはアニメは改変のセンスがない出来の悪い二次創作だとみなすようになりました。なので、例えば掲示板などでDB考察の根拠としてアニメオリジナルの設定を持ち出してくるやつを見るたびに『おいおいこいつマジで言ってんのかよ』とイライラしてしまいます。」
・原作でのクリリンは戦力差を分析し多彩な技巧で一矢報いるクレバーなキャラなのに、映画ではZ戦士たちが敵幹部を次々撃退するなかでクリリンだけが「何で俺だけ~~」と言いながらふっとばされるのがお約束に→お便り「許しがたい蛮行です」
・中野「DBのアニメについてどう思うかって聞かれてますけど、このブチギレお便りの後で『DBのアニメ、好きですよ!』って言えないでしょ!!!」
・ほとんどの人はアニメがきっかけでDBに触れる→原作の設定よりもアニメのオリジナル設定の方がスタンダード扱いされてしまう→ばき「フリーザの大好物は蟹!」
・手塚「DBのアニメは鳥山先生と(原作と)設定の連携が取れてないことが多いせいで、より雑に見えちゃうんですよね」→アニメではクリリンに恋人の「マロン」がいたが…→原作ではクリリンの娘の名前が「マーロン」→かつての恋人の名前を娘に付けたみたいになっちゃってる!?
・ヤムハン等のゲームでのフュージョンキャラは正史扱いされてない→Vジャンプで連載している『ドラゴンボール超』は正史なのか?→ファンの間でも意見が分かれている
・ジョジョやHUNTER×HUNTER等も設定には色んな矛盾がある→中野「設定についての議論を楽しむためには、まず矛盾だらけの設定であること踏まえつつ、その上で同時に真剣に考える…みたいな器用な態度が求められる気がしますね」
・アメコミは派生作品が多く設定もどんどん積み重なる→並行世界(バース)扱いで統合性をコントロール→DBもタイムマシンが存在するしバースとしてのシリーズ展開が可能?
・中野「過去に行って悟空に心臓病の薬を渡しても、トランクスの未来がその瞬間に救われるわけではなかったですしね」→平行世界として枝分かれする世界観
・ばき「劇場版はバースとして話が連続してる気がします。クウラの後にメタルクウラが出てきたりブロリーが何度も出てきたりするし…」手塚「DBのゲームのゼノバースシリーズがバースを扱ってますね。ゲームはやっぱり正史扱いされないからこそ、懐が広い気がします」
・アニメから原作への逆輸入→バーダック、超サイヤ人の髪質
・クリリンの扱い→ばき「クリリンはポルナレフやミスタみたいな、小回りの効く感じの良いユニット。パーティに一人いると便利そう」→情けなさ担当はクリリンよりヤムチャ?

■押井守について
・お便り「押井守作品について、押井守個人についてのお話しをお聞きしたいです。」
・中野「俺はスカイ・クロラとイノセンスと劇パトくらいしか見れてないです」ばき「俺はアニメはだいたい全部見てるはずですけど、実写作品はあんまり見れてないかな…」手塚「僕もアニメをいくつか…あとはサンサーラ・ナーガとか」→ゲームのディレクター
・ばき「押井作品は構造が凄く面白い。お話で面白がらせようとはあまりしてない気がしますね」中野「押井守作品は漠然と難しいな~ってイメージがあります」→小さい頃見てもよく分からなかった
・ポリティカルな作家性を求められていた時代→良くも悪くも過去の人になったから『ぶらどらぶ』のような作風の企画が実現したのかも?
・手塚「押井守は原作ものをやるに当たって母屋を乗っ取るようなイメージがありますね」→作品を再構成する際に現れる作家性→原作ファンに嫌がられたりもするけれど、それでも表現に凄みがあるから受容される
・士郎正宗の原作よりも押井守版の草薙素子の方が有名に(スタンダードに)なっている→クリリンと同じですね

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